近年はあらゆるものがコンピューター管理になっているため、システム障害による大規模な不具合がニュースになることが有ります。例えば銀行のシステム障害によってキャッシュカードでお金を引き出せないとか、電子マネーが全国で使えない状況になるなどです。このような重大な障害になる手前で、重大な障害になる可能性が有った事項をインシデントと呼びます。インシデントは鉄道や航空、医療や情報セキュリティなどの分野での危機管理の用語として使われています。これらのインシデントに迅速に対応するために、さまざまなインシデント管理ツールが開発されるようになりました。様々な障害に至る問題を未然に感知し、さらに、障害が起こった場合の応急処置、復旧に至るまでを、インシデント管理と呼びますが、これらをシステム化した管理ツールが開発されています。

手作業の管理からシステム管理に置き換えていきます

ハッカーやアカウントの乗っ取り、サイバー攻撃など、情報のセキュリティーを脅かす問題が増えていますし、かつては、ごく一部の大企業の問題だったものが、近年は、標的型攻撃メールによってウィルスに感染するなど、一般の会社やあるいは個人にも及ぶようになってきました。これまでのインシデント管理は、エクセルなどを使って、人手で管理する方法が一般的でした。しかし、業務が多岐に渡りシステムが複雑に増えてくると、手作業でインシデント管理を行うことには限界が出て来ます。そこでインシデント管理ツールを使用することで、監視からアクションまでを自動化していきます。インシデント管理ツールは、最初の検知した障害を登録するところから自動化しています。その障害の内容によって分類し、調査、解決へと導いていきます。最近は物流や電機メーカー、損害保険会社など、さまざまな業種でインシデント管理ツールを採用するようになってきました。

さまざまな業種に広がるインシデント管理ツール

検知した障害を自動登録した後は、分類と優先順位を付けます。そして、内容を確認してエスカレーションします。その後、障害対応の履歴やノウハウをチームで共有します。これによって属人化を防ぎます。障害対応が完了してクローズします。これまでのように人手で対応していると復旧の遅延だけではなく、障害への対応漏れや作業ミスを招く危険も有ります。障害対応のプロセス業務を自動化することにより、迅速で適切に復旧作業を進めることが出来ます。現代では、全国にネットワークでつながる業種は驚くほど多く有ります。コンビニなどで使う電子マネーなどは広く知られていますが、カラオケなども、配信のサービスになっており、インシデント管理ツールを導入している会社も有ります。さまざまなところでインシデント管理ツールが使われており、多くの企業が導入を検討する状況になってきています。